2010年03月10日

【同盟弱体化】第1部 美辞麗句の陰で(3)ぶれる日本は「蚊帳の外」(産経新聞)

 1月25日夕、関西空港に到着したエミレーツ航空機から観光客に交じって、海上自衛隊2等海佐、尾崎拓彦が一人ひっそりと帰国した。中東・バーレーンの米海軍第5艦隊司令部に派遣されていた連絡官だ。鳩山政権が1月にインド洋での海上自衛隊による補給活動の撤収を決めたのに伴い、尾崎も約10カ月間の任務を終え、空路ドバイ経由で戻ってきたのだった。

 バーレーンの首都マナマにある第5艦隊司令部の敷地内に尾崎ら連絡官が勤務する建物がある。米国主導で行われる「不朽の自由作戦(OEF)」などに参加する各国に一部屋が割り当てられ、それぞれの国の連絡官が廊下を行き来する。

 各国とのミーティングもしばしば開かれ、国際テロの防止を目指した作戦に関する情報を共有し、連絡・調整を行っている。

 目立たない任務だが、自衛隊幹部は強調する。

 「情報はフェース・ツー・フェース(対面)、ギブ・アンド・テーク(相互のやりとり)が原則だ。一緒にいるからこそ、迅速で的確な情報が入る」

 同盟国といえども日本が何もしなければ、米国も情報を教えてはくれない。日本政府には苦い経験がある。平成19年の参院選で勝利した当時野党の民主党の反対で、旧テロ対策特別措置法が失効、一時的に海上自衛隊の補給艦がインド洋から撤収せざるを得なくなった。その間、バーレーンも連絡官不在となった。現地の生の情報は途絶えた。日本は「蚊帳の外」に置かれたのだ。

                 × × ×

 19年の撤収の際には応急措置として、自衛隊幹部は米フロリダ州タンパにいた連絡官に指示した。

 「どんな細かいことでもいい。撤収でどんな影響が出たかを報告してほしい」

 タンパには中東・南アジア地域を管轄する米軍中央軍司令部がある。各国は連絡官をタンパの「有志連合村」と呼ばれる建物に派遣している。そこでは毎日のように米軍がイラク、アフガニスタンでの活動に参加する国々に対し、軍事作戦や現地情報を逐一説明している。

 このときは撤収が一時的であったため、日本は情報共有の「仲間」に加わり続けることができたが、今回復帰の見通しはない。

                 × × ×

 「バーレーンに集まる情報はテロとの戦いだけでない。タンカーや貨物船の情報も含まれる」

 自衛隊関係者はこう言う。緊張が高まりつつあるイランの核開発問題での米第5艦隊の対応もいち早くわかる。中東に9割の原油を依存する日本にとって、バーレーンなどで得る情報は不可欠といっていい。

 それだけではない。

 「真珠の首飾り(String of Pearls)戦略」

 米防衛関係企業が2005年に当時の米国防長官、ドナルド・ラムズフェルドに対して作成した報告書で、中国の遠洋戦略を指摘した言葉だ。「真珠の首飾り」のようにインド洋に点々と中国はプレゼンス(存在)を広げつつある。

 これは、中国が経済成長を維持するためエネルギー資源の確保を重視しているためだ。日本だけでなく、中国にとっても、中東やアフリカの資源供給国と本国を結ぶシーレーン(海上交通路)は生命線なのだ。

 だが、インド洋からの撤収は、こうした中国の動きを見えにくくしつつある。

                 × × ×

 撤収により再びバーレーンに自衛隊員がいなくなることに危機感を覚えた防衛相、北沢俊美はアフガン本土に展開する国際治安支援部隊(ISAF)の作戦本部に連絡官を派遣することを検討した。だが、首相、鳩山由紀夫は「自衛隊を派遣する発想は持ち合わせていない」とつれなかった。

 防衛省は尾崎を帰国させる一方で、もう一人の連絡官を補給活動の任務から、ソマリア沖・アデン湾での海賊対処に関する任務に切り替えることでバーレーンに残留させた。現場から日の丸の旗が消えることだけはかろうじて避けられた。

 平成19年5月、ワシントンで開かれた外務・防衛担当閣僚による日米安全保障協議委員会(2プラス2)では、「日米防衛協力を強化するうえで情報共有は重要な基礎」との認識で一致した。鳩山政権下で、いまこの基礎が揺らいでいる。

 防衛省幹部は警鐘を鳴らす。

 「テロや海賊の情報は今までどおり入っても、アフガン情勢などの情報は減るかもしれない。情報を得られないからといって直ちに支障はおきない。怖いのは徐々に情報の輪から外され、ボディーブローのように効いていることだ」(敬称略)

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首相、企業・団体献金禁止法案の今国会成立に期待感 国民新は反発(産経新聞)

 鳩山由紀夫首相は4日の参院予算委員会で、企業・団体献金禁止の実現に向け、政治資金規正法改正案の今国会成立に期待感を示した。民主、社民、国民新の与党3党は幹事長会談を開き、企業・団体献金禁止に関する与野党協議機関の設置を野党側に呼びかけることで一致した。だが、国民新党は協議機関呼びかけには同意したものの、企業・団体献金禁止には明確に反対しており、政府・与党内の亀裂が広がる可能性がある。

 首相は同日の参院予算委で、企業・団体献金の禁止について「政治不信を払拭(ふっしょく)させる大変重要な手だてとなる。この通常国会で結論を見いだしてほしい」と強調した。

 だが、与党の足並みは乱れている。

 企業・団体献金は政治活動に必要だとしている国民新党は「何で民主党の『政治とカネ』の問題の尻ぬぐいに、うちの党が付き合わなければいけないんだ」(国民新党代表の亀井静香郵政改革・金融相)と反発している。このため、自見庄三郎幹事長は与党幹事長会談で、協議機関設置は認めたが、「うちには考えがあるので、中身(の合意)は困る」とくぎをさした。

 小沢氏は会談後に行われた共同記者会見で、「『一方的に結論を』というやり方でなく、その場でみんなでやりましょう」と述べざるを得なかった。

 与党が一致していなければ、企業・団体献金禁止に反発する自民党に賛成するよう迫っても、迫力を欠くのは否めない。

 民主党は4日、与党幹事長会談に先立って、「政治資金対策チーム」の会合を開き、企業・団体献金を禁止する具体策の検討に入った。企業・団体献金の禁止に加え、企業などによる政治資金パーティー券の購入も禁じることが柱となる。

 ただ、政治活動に支障が生じかねないため、政党助成金を倍増する案や、公設秘書の雇用数の増加などを同時に実施する案も取りざたされている。景気の悪化から、「政党助成金の増額は国民の理解が得られない」との意見も強い。

 これに関連し、首相は参院予算委で、政治資金規正法の見直しで、秘書や会計責任者に対する政治家の監督責任強化にも意欲を示した。

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2010年03月08日

<プルサーマル発電>伊方原発3号機「臨界」に(毎日新聞)

 四国電力は2日、前日にプルサーマル発電を起動した伊方原発3号機(愛媛県伊方町、加圧水型、出力89万キロワット)の原子炉で、同日午前4時50分に核分裂の連鎖反応が一定になる「臨界」状態に達したと発表した。

 臨界は、原子核の分裂が連続で起こることで、発電に必要な大きなエネルギーを出す状態。MOX(ウラン・プルトニウム混合酸化物)燃料を使用して臨界に達したことで、昨年11月の九州電力玄海原発3号機(佐賀県)に続く国内2例目となるプルサーマル発電の準備が整った。

 四電は4日朝、送電を開始し、30日から営業運転を始める予定。【栗田亨】

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